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一昨日のアングラつながりで。

状況劇場か天井桟敷かいったら、ワタシは天井桟敷派、なワケですが。
でも、逸話(伝説とも言う)としては状況劇場側の方がちょっと好きだったり。

その中でも何と云っても四谷シモン絡みのエピソードがピカイチで。

状況劇場で役者やってた当時、見た目に反して誰よりアグレッシブで、天井桟敷との乱闘事件も、この人が先陣切って殴り込んで1番激しく暴れたりしてて。
結果渋谷署でお泊り2晩、なんてことになってたりもするんだけど。

でも、四谷シモンを彩る様々な伝説(個人的には神話といっても良い)は、知れば知るほど「あーこの人周りの人からとてもとても愛されていたのね」と思わせるものばかり。
もしかしてアイドル的存在でしたか、アナタ。女優たち押し退けて。とかフツーに思う位には。

夏の終わりのある夜遅く、状況劇場の偉い人2人(詳細失念。唐と澁澤とかだったかと)がバーだか深夜喫茶だかで飲みながら話をしていて。
次の秋冬のマフラーはどんなのが洒落ているか、という話になって。
長めで幅は細めなのが洒落ているだのいやいやそんなことはない、だの相当白熱し、結局、結論出ないじゃんどーしよ?てことになり。
取った手段が。

「…という話になっている。君はどう思うだろう。君が1番洒落ていると思うマフラーをして、
 今から僕たちがいる店まで来てくれないか」
と、四谷シモンとこに電話をかける。

だったゆー。
で。
何十分か後にその店に現れた四谷シモンはというと。

上半身裸で首から肩には青々とした芝生を巻きつけて登場。「これが1番素敵だよ」と。
しかもその芝生、電話来てから店に行くまでの間に新宿御苑寄って、そこで根ごと剥がして首に巻いて、そのまま店に向かったという。

天井桟敷の偉い人2人「さすがシモン。そーゆーところが大好きさ」と大満足で、その後3人でしこたま飲んだ、と。

大好きすぎる。

このエピソードのキラーぷり(=四谷シモンのキラーぷり)はホント半端ない。
この頃の彼は、舞台では白塗り眉なしメイクで緋襦袢はだけさせてィヤホォォゥウッな女形とかしてたんだけど、元々物凄い素材の良い人で。
普通にしてれば普通に美人さん。

そう,この人が作る人形のように。

「ピグマリオニスム・ナルシシズム」なんて今の四谷シモンそのままだし、澁澤龍彦に捧げた天使のシリーズも、その面影はどこか若い頃の四谷シモンを感じさせる気すら。
澁澤龍彦と出会った頃の、四谷シモン。

宝石のように大好きな、そんな事を思い出しながら。

人形作家って男性と女性で随分違うよねーとかも思ってみたり。ワタシの主観だけど。

女性の人形作家って、rareでhotでrealだよね。良くも悪くも。
同じセイでも「性」だし、そこから繋がる愛も「性愛」で「生」を通り越して「死」まで至るタナトス。
「生」も生む(産む)「性」を通して表現されていたり、男の人形であったとしてもその対となる女を見ざるを得ないというか。
それに対して男性の人形作家って本当に創り手になってる。
「聖」すら感じさせる「生」。「性」を削ぎ落とした若しくは両性を併せ持った存在としての「生」。
抽象的で、中性的で、中立的。「生」の体温も「死」の冷たさも遠い。

散々っぱらエキセントリックな、ギラギラした眼差しで写真に写ってた四谷シモンを見せられて、展示全部終わったところにいた、今の四谷シモンの姿を見て、展覧会図覧にサインをしてもらいながらその目を見て、心の底から思ったもん。

あー、この人、ああやって生きて、神になったんだなーて。
人形という存在を生み出す、その世界の創造主なんだな、て。

もう随分前のことのハズなのに、ものすごくはっきりと覚えてる。

それはこの人が、その存在自体が神の生んだ芸術だからなんだろうと。
アートでラブな男。
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