昨日も芝居観たし明日も観に行くけど,もう今日しか時間作れないから覚悟決めて観てきた!
篠井さん×スズカツの本気芝居第二弾。「サド侯爵夫人」。わーお。
(ちなみに第一弾は「欲望という名の電車」。一年振りですね)
26日の千秋楽,チケット取ってたんだけど仕事絡みの研修とかぶってて泣く泣く涙を飲んで。
でもって取り直したのが超ウッカリ21日の夜公演で。
21日はアンタ,「から騒ぎ」だよ!て激しく突っ込みつつ計2枚のサド侯爵夫人
を売ッ払って,結局今日は当日券。
先週末のウエストコースト同好会(深夜興行)のせいで体調回復しきってないまま行ったら,まんまと返り討ちに逢いました。
三幕モノで,2回意識がトんだよ!
芝居の攻撃力に完全にやられて,ものすごい敗北感引きずってすごすごおめおめ現実に帰還。
パンフに,スズカツさんの言葉で「ルネは私なのです」ってのがあったんだけど。
ルネ(=M)ってゆーかスズカツさん,ドSですってば。ドS演出。
どんだけ観客に(そして役者にも)高い要求突き付けるんですか。
つうか,脚本自体がドS。書いた三島は限りなくMくさい(とワタシは思ってる)のに。
石井くん(アリtoキリギリス)の無理な女装にニヤニヤする余裕があったのも一幕目のホンの冒頭のみ。
篠井さん(娘。ルネ)と加納さん(母。モントルイユ夫人)の「あらお母様,オホホホホ」「ルネ,いつも貴女のことを思っているわ」とか表面上は言ってるけど,よくよく見るとすごい怖い顔してるのに気付いてしまって背筋凍らされて。
篠井さん,相変わらずえらく美人な感じにハマリ過ぎてるせいで,ふと見せるそんな表情が本当に鬼気迫るキツさで。ぞっとする。
二幕はその母娘の確執,更に増して怖い感じになってるし。ルネだんだん言ってることおかしくなってるし。
三幕目に再び登場の石井くん(158cm)に心の中で「小さッ」てツッコミつつ,喪服姿の召使役の子が何だか美人に見えてきてStudio Lifeすげーな!って感心させられて。
もう,篠井さんと加納さんは少々年食った女二人にしか見えなくなってて。
役者ってすげー…てゆーか怖い!!と舌をぐるぐる巻いて尻尾も巻いてるうちに終幕。
主に篠井さんが喋る恐ろしい量の台詞に脳が置いてかれました。追い縋れなかった。
偽善と虚飾と耽美にまみれた,格調高い三島の日本語は,睡眠不足の脳にはムリでした。
ごめんなさい。
舞台装置はごくごく簡素。ちょっとした大道具のひとつも乗ってない。
扉の音,閂の音,群集が遠くで上げる声程度の効果音がそれでも使いどころを絞って,楔のように打ち込まれる以外には音楽ひとつ後ろに流れることもなく。
ただひたすら登場人物たちが吐き出す台詞と情念が板の上に在る。
そんな芝居。
怖い。
ってゆーか。
登場人物の口から語られるのみで姿を現すことのないサド侯爵。
「サド」ってゆーけどさー。
売春婦買って全裸に剥いて鞭打つのはサディズムだと思うけどさ。
その場に自分の使用人(♂)もいさせて,やっぱり全裸にさせて,でもってムリヤリ奉仕して勃たせて女ぐったりしてるベッドのすぐ横でヤらせるってのは(使用人×サド侯爵ですね)。
どう見てもマゾキズム(独語発音ではマゾヒスムスな!)です。本当にあr(ry
あ。
第三弾,このシリーズの完結は来年,[サロメ]だそうです。
…やっちまうのかサロメを…!
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